調子に乗ってしまい先輩からのイジメも始まり…食品会社営業マンの失敗談。

営業マンの体験談

調子に乗ってしまい先輩からのイジメも始まり…食品会社営業マンの失敗談。

今から16年前の4月、大学卒業後に正社員として入社した食品会社。営業職として福島県の郡山営業所に配属されました。もちろん、営業として働くのも初めてで、どういう動きをするのか興味深々でした。一応、総合職として入社したのですが、給料は手取りで17万ほど、そこから家賃や光熱費を支払ったので、結局使えるお金は11万くらいでした。そもそもジャンルに関係なく、大きな会社で営業をやってみたく、大学在学中の就職活動では大手ばかりにエントリーしていました。もちろん、そう簡単に引っかかるわけもなく、エントリーシートで落とされる日々。そこで、大学内で行われた合同説明会に参加したときに、この食品会社と出会いました。元々、テレビCMもやっているくらい大きな会社だったので、社名は知っていました。説明会で話していた人事課の方がとても好印象で、「あ、ここで働いてみてもいいかな?」と思ったのが試験を受けたきっかけでした。2月に初めて説明会で知って、4月の下旬にはその会社から内定を頂いたので、早々と就職活動を終了。本来なら第一志望のスポーツ用品関係の業界を受けようと思いましたが、こちらは全滅。というのも、「1社、内定をもらってるから、とりあえず社会人にはなれるから」という驕りがありまくり、真剣に取り組まずにいたのが全滅の原因だったと思います。後にこの驕りが、人生でも大きな影響を与えることになります。

配属してからは早く実践で経験を積んでいきたい、とばかり考えており、一応、研修で営業マナーや同行営業などで仕事の流れを勉強しましたが、「机上のことより実践だろうよ」とイライラしたのを覚えています。何も分からないクセに変な志だけは高く、社内報で「新人王を目指す!」なんてでかい事を言ってのけてました。今思えば、相当調子に乗ってたんだと思います。当時は就職氷河期で、どんな会社であろうと内定をもらえれば凄い時代。そんな中、4月という早い段階で内定をもらったことと、ある意味で目立っていた私は、入社前の内定時代から会社の人から目をつけられており、よくコミュニケーションをとっていて、「他の連中よりかは社内のこと知ってるぜ」というこれも驕りが、調子に乗っていた原因だと分析します。

営業は既存の得意先訪問(スーパーが主)で業務用の調味料や冷凍食品、チルド食品などを売る仕事で、新規開拓のために飲食店へ飛び込み営業もします。必要であれば実演販売(調味料を使って実際に料理を作ってみたり)や、小売商品を拡販するためにマネキン(「焼肉のたれいかがですか~?」と肉を焼きながらタレをつけて試食させるやつ)なども営業の仕事の一つです。ただ、当時としては「これが飛躍の一因になるなら、やってやろうじゃん!」という意気込みでいました。

調子に乗っている態度はモロに表面化し、先輩からも得意先からも「何かアイツ、態度が生意気」と言われはじめ、ロクに勉強もしない姿勢は、他の同期と徐々に境が生まれ始めてきました。また、その会社の基本営業は二人一組で得意先を回るスタイルで、私と組んだ人が営業所内でもなかなかの嫌われ者の先輩で。成績は悪いくせに知識だけはあるという、結構クセの強い先輩でした。そんなこんなで自分のやり方をメッタ切りにされ、やることなすこと全てにその先輩から文句を言われ、すっかり入社当初のやる気をへし折られた私。自分が行けない部分も大いにありますが、その先輩からのイジメもなかなかのものがありました。今日はどうすれば何も言われず過ごせるか、こればかり考えるようになり、精神状態もおかしくなってきました。

また、その会社はいわゆる「ブラック企業」に名を連ねる会社で、サービス残業は当たり前。しかも、特にやる事がないのに、下の人間が先輩や上司より先に帰るのがご法度という、まるで中学校のような変なしきたりが蔓延っていました。一度、早く帰ったことがありましたが、翌日「お前、よく1年目のクセに先輩より早く帰ったな」と散々言われ、これ以降、何があっても先輩達よりあとに帰ろうと決めました。そんな先輩達も、仕事自体は8時くらいには終わっており、その後は雑談、談笑。これで先輩より後に帰れというのが間違っているような気もしますが…。
就職活動を怠って、こういう会社を選んだ自分が一番、いけないのですが。その後、入社半年後の10月末日を持って退社。正直、最期の1ヶ月なんて仕事になっていません。「早く辞めたい、早く辞めたい」としか思えない状態だったので。それだけ先輩からの言いがかりが酷い会社でした。(ウチのチームだけ)

私のような実例は「失敗すべくして失敗した」例だと思います。今、就職活動中の人は、自分のやりたい事をもう一度よく考え、その信念を曲げずに就活するべきですし、妥協した会社に入社した会社で頑張れる人もいますが、どこかで納得いかない場面に直面して、自分自身が苦しい思いをすると思います。そして、私のような営業職についた人間は、その会社の営業方式をしっかりと勉強して、基本をしっかりと磨いてからお客様と接するべきでしょう。当然といえば当然ですが、会社によって営業もスタイルが異なる場合もありますので、そこはよく確認しておいたほうがいいでしょう。そして、勉強会や研修にはしっかりと耳を傾け、復習すること。学生時代の勉強と同じです。これができれば、きっと私のような失敗を犯さずに、営業で活躍できると思います。