私は自動車販売会社に勤務していたのですが昨今自動車販売だけでは食っていけないので会社の方針で自動車保険だけでなく様々な保険を扱っていたことがあり、生命、火災、傷害、そしてペット保険までも扱っていました。車と並行して4年半くらいこの仕事を営業マンとしてやっていたのですがかえって仕事は増えて定時7時なのに終わりは毎度10から11時だったりしていたのにその保険に関する褒賞も最初からある自動車保険の新規、更新手数料だけで他の保険はとっても営業マンには0円。一時期やたらとペット保険を売り込めとうるさく言われていましたが、見返りなしでなんで売らなけりゃいけないんだと内心思っていたものです(それでもいつもペットと一緒に来る人とかを相手に数件の契約は取れてましたが)
そもそもなんで保険を売るのに自動車販売会社だったかと言うと、車と合わせて保険も含めたサポートというのをしたかったと言うのがあります。学生時代事故をした時に保険に大いに助けられた経験もあって保険の重要性というのは重々承知していたので保険も扱えると言うことで自動車販売会社に入社しました。また入社した後に実は様々な種類の保険も扱えると言うことを知り自動車保険ではなく他の保険でも詳しくなって他の保険もお客様にサポートをお願いされるようになろうと思ったのです。
私の場合は基本的には既存客への提案と言うものが主なものでした。まずは車の調子伺いから始まりその後自動車保険の提案を行います。ある程度仲の良いお客様であれば自動車保険までは入ってくれることも多かったのですがそれ以外の保険を任せようと言う人はあまりおらず、そもそも自動車販売会社が生命やペットの保険を扱っていると言うことすら知らないお客様も多かったのですがそれがかえって武器になったとも思っています。車のサポートでしっかりとした人間関係を築けばそれ以外のものも任せられるものは任せようかねというお客様もいらっしゃってくれたので他の保険に関してもそこそこの結果は残せていました。特にペット保険と言うのは当時はあまり認知度も今に比べて低かったのですが、ペットも人と同じように怪我も病気もしますしかつ国民皆保険制度のようなものももちろん無く、全額自己負担なのを何とかしたいと言う人は結構いました。ペットも車も任せてもらえませんか!この一言でクロージングも片付いてしまっていました。
一方で非常に苦労したのが生命保険でした。それらを扱うようになった直後から毎日終業後に勉強会をしていたのですが自動車保険やペット保険に比べて生命保険はかなり複雑なものとなっており正直片手間で出来るようなものではありませんでした。しかし会社からは必ず一人5件は自分の顧客から契約を取るようにと発破をかけられていました(これも達成しても褒賞0円でした)。しかし自分自身内容をしっかり理解しているとも言いがたい中で契約をとるのはかなり厳しいものがあり1件は友人に頼み込んで入ってもらいましたが結局目標は達成できずにその後本社からなぜ達成できなかったのかと言うのを作文用紙2枚程度にまとめてそれを同じく達成してない他の社員たちの前で音読をさせられました。正直こればっかりはいくら何でも任せてといっても難しかったですし、特に生命保険は、契約内容によっては自動車保険よりも高い金額が動きますし支払いの要件も自動車保険より更に細分化されています。それを会社のためという理由のためだけに社員に販売を強要させるのは今思うとおかしかったと思うし、当時は自分も社畜根性と言うか他社では当然もらえるであろう保険の手数料などももらえなかったこともおかしいと思います。
私は自動車販売会社の社員と言う立場でありながら自動車以外の保険を扱うと言う少しイレギュラーなものではあると思いますが、やってみて思ったのはやはり餅屋は餅屋だなということでした。自動車保険は当然説明が出来ないといけませんしペット保険もそこまで複雑なものではなかったので販売が出来ましたが生命保険というのは中途半端に勧めていいものではないと痛感しました。保険と言うものは万が一に備えて加入するというのは言うまでもありませんが、だからこそ万が一のことが起きた際にその保険でしっかりとカバーできるようにしておかないといけない。そのために必要なのはなんといっても知識です。もしこれから保険営業の仕事に就く、もしくは働いていると言う人は保険業界で働くと言うことは常に勉強し、保険の情報を常に頭の中に入れておかないといけないと言うことを認識するべきだと思います。