長年の信頼関係が一晩で崩壊…イベント営業マンの失敗談。 | 営業マンの体験談

長年の信頼関係が一晩で崩壊…イベント営業マンの失敗談。

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長年の信頼関係が一晩で崩壊…イベント営業マンの失敗談。

私はイベントや催事の営業職を5年程やっていました。役所の式典や、何か大きな建物や道路を作る際の竣工式や起工式。また企業が何か大きなサービスや製品を打ち出す際のプロモーションの一環で行うイベントなどです。そういった催事やイベントはほとんど土日や祝日に行われることが多く、平日や休日または撤収作業や急なクライアントの呼び出しも多く、残業代という概念もほとんどない業界でした。休みなどはイベントが比較的に少なくなる閑散期(冬:12月から2月に)にまとめて取ることが多く、あとは平日にちょこちょこ休みをとれていたので平均すれば週に1日または1.5日は取れていました。年収もおおよそ600万ほど、地方でしたのでわりと十分な暮らしができていました。

クライアントのアイデアや要望が、いつのまにか人々の賛同を得て、予算やスタッフがつき、気付けば本番にとてつもない人とお金が動くイベントとなっている。本番直前のプレッシャーはものすごいものがありますが、それを無事終えた時の達成感や解放感は何者にも代えることができないものがあります。そんなイベントですが、実は新規クライアント獲得の為に完全な飛び込みで営業するということは実はあまりありません、役所や企業・団体などのホームページをチェックし、正式な入札情報やプレゼンテーションの公募がでればそれに応募していくか、同僚などが「〇〇さんがこんなイベントやりたいって言ってたよ」という情報を掴めば、顔つなぎをして貰って企画書を持ち込むというような感じです。

そんな中もう5年ほど近くなる付き合いのクライアントから屋外にテントを設置する仕事をいただきました。かなり信用を獲得していたクライアントだったことと、それほど難しくない案件だった為、自分は窓口業務だけをクライアントと行い、実務は新人へ任せました。たったひとつ心配が、会場が線路の近くだったことです。本番前日、天気予報でも荒れた様子はなく、自分は別クライアントとの飲みの席に1時間ほど顔出さなければならなかった為、それが終わったら新人がいる設営現場に顔をだし現場最終チェックをしようと思っていました。

飲みの席について30分ほどたった午後7時ごろ携帯に新人から着信がありちょっと風が強くなってきたという連絡がありました。屋外用テントの大敵はとにかく風で、自分は線路のことも考えた上で予定より早く切り上げ、現場へと向かいました。飲みのお店と設営会場は大変近く少し早歩きでいけば5分もかかりませんでした。会場に近づき、目的のテントが見えた瞬間愕然としました、突風でテントが骨組みごと会場にバラバラに散乱し、一棟に関しては道路と線路を隔てるフェンスに乗っかっている状態でした。そして新人と複数のスタッフそしてなんとそこにはその長年の付き合いのクライアントも一緒になりテントを引き下ろそうとしていました。自分も急いでそれに加わり、なんとかその日もことなきを得て、翌日の本番も無事に終えました。

クライアントも特に変わった様子もなかった為、後日請求書ともろもろのフォロー活動をしようと思い、クライアントのもとへ向かいました。オフィスのテーブルに座ろうとしましたが、珍しくその日は個室を案内され、数分後その担当者が来ました。席につくやいなや担当者はいきない机に置いた請求書を投げつけてきました。そして「お前さー」と始まったのです。5年もつきあって「お前」というような言葉を使うキャラでもなかったし、そもそも声を荒げるタイプではなかった為、そのクライアントの口からお前というワードが飛び出したのがまずショックでした。

怒りの原因をよく聞くと、突風が吹いたことはしょうがないし、防ぎようがない、気にいらないのはテントが宙を舞っている時、お前が居酒屋でワイワイやっていたことだそうだ。どうやらその居酒屋にはその会社の社員がたまたま別の席にいたらしく、それをその担当者に報告したらしい。しかもまずいことにその飲み会は周りの客が嫌がるほどとても盛り上がってしまっていました。結果的にその案件については支払いをしてもらいましたが、その担当者そしてその会社とはそこから半年近く付き合いはなくなりました。携帯に電話しても出ない、駅などですれ違った際はこちらが挨拶しても無視、本当に可愛がって貰っていただけにこれは精神的にショックでした。

私は結局その会社の担当から外され別の担当者が現在対応しています。この経験から自分が学んだことはたった一つ、人間同士の信頼関係構築にはすごく長い時間と労力が掛かるが、壊れるのは一瞬です。しかも自分が思わぬところで足元をすくわれます、営業マンは自分の家に帰るまで営業マンの自覚を持っていなければなりません。