直感で無計画に営業先を回り…飛び込み営業の失敗談 | 営業マンの体験談

直感で無計画に営業先を回り…飛び込み営業の失敗談

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直感で無計画に営業先を回り…飛び込み営業の失敗談

大学を卒業しておきながら定職にもつけず、学生時代からやっていたコンビニのアルバイトを長々と続けていた私。25歳になってようやく「このままではダメだ」と思い、一念発起しアルバイトをやめて職業安定所へ仕事を探しに向かいました。しかしこのご時世、そんないかにも使えなさそうな人間を採用してくれるような企業などあるわけもなく、来る日も来る日も面接に行っては落ち続ける毎日。そんな時に職業安定所の職員の方が紹介してくれたのが、のちに入社することになる会社の営業職でした。

仕事を探し始めた頃は「営業職は嫌だな」と完全に避けていた職種、しかも内容はアポなしで個人宅を訪問する飛び込み営業。それでも、こうも就職活動が上手くいかなければわがままは言ってられません。わらにもすがる思いで応募したのを今でも覚えています。
結果、応募から3日程度で社長直々に面接をしていただき、即採用。決まるときはあっさりしたもんだなと笑ったものです。
ただ、当たり前かもしれませんが条件面はあまり良くなかったです。

入社して3ヶ月間は契約社員として勤務。その間は交通費・残業代等の支給はなし。その後正社員になれるかは仕事ぶりを見て判断する。今にして思えばよくそんな条件で就職したものです。特に交通費の支給が無いのは痛かったですね。私の家から会社まで車で片道30分程度かかるので、結構なガソリン代が毎月飛んでいきました。
とはいえ、やっとの思いで決まった仕事。こんな私を採用してくれた社長への恩義もありましたし、入社したら必死になって働こうと心に誓っていたので、少々辛いことがあっても我慢、我慢。面接時に「しっかり先輩社員が教育してから現場に出てもらう」と社長が仰っていたはずなのに、入社してから1週間ほどで1人で営業に行かされることになろうと我慢、我慢です。

そして気が付けば大した能力も無いまま、会社から目標を追わされる身になっていました。入社してからわかりましたが、営業部署には上司が1人だけで、他は皆私と同時期に入社した契約社員でした。そんな状況ではしっかりした教育が出来ないのは当然ですね。それでも当時の私は「スタートがほぼ一緒なら全員がライバルだ」とポジティブに捉え、より一層仕事に励みました。

意外だったのは、就職する前は毛嫌いしていた営業職が、実際にやってみると案外楽しいと感じたことです。特に私のような完全に個人で動くような場合は、出社して営業に出てしまえば、1日1回社長を含む部署全員に途中経過をメールで報告する以外は完全に自由。良くも悪くも自分でその日の仕事を決められるのが良かったです。
それでもやはり大したスキルも無いまま仕事をしたところで、成果には繋がりません。そこで私が考えたのがとにかく訪問件数を増やすこと。同僚達の平均的な訪問件数が60件/日だったのに対し、私は最低でも100件/日以上訪問するようにしたのです。
その結果、契約件数は同僚達に比べて僅かに上昇。自分が生き残るにはこのやり方だと確信しました。
ただし、私は大事なことをたった1つ見落としていたのです。それは、営業先に向かうための移動手段。私の会社ではそれぞれに営業車が用意されており、ガソリン代も会社が負担していたのですが、私の営業車だけ1ヵ月のガソリン代が桁違いに高かったのです。

同僚達がしっかりと訪問ルートを決めて効率よく回っていたのに対し、私はとにかく良さそうな所を無計画に直感だけで回っていたのですから、当然走行距離もどんどん伸びます。それが1ヵ月も続けば当然大きな差になりますよね。それでいて同僚達と比べて契約件数が圧倒的に多いわけでも無いので、経費を考えれば完全にマイナスです。
もちろん、この件で社長から大目玉を食らいました。ただし、それは私ではなく私の上司がです。自分にせいで他人が怒られているのを見るのはとても辛く、仕事を始めてから現在に至るまででも1番堪えた仕事の思い出かもしれません。

しかしながら、そういった失敗のおかげで今では目先の売り上げだけに捉われず、そこまでにかかる経費を含めて総合的に損得を吟味出来るようになってきたので、悪くない経験だったとは思います。
特に個人で回る営業職の場合は自分の給料だけでなく、自分にかかっている経費等も計算しやすいので、いくら稼いでくれば会社にとってプラスかがわかりやすいです。仕事を続けていく上でそういった考え方が出来るかどうかはとても重要かもしれませんね。